□「公明党代表への刺客」候補に反創価学会票を集められない現役創価学会員候補は不向きか?

 

20197月の参議院選挙で、公明党の比例区得票が3年前の参議院選挙の比例区得票よりも103万票余りも減らす結果に終わったことが、多方面で波紋をよんでいる。参議院選挙開票結果確定直後の2019727日付け読売新聞にも「公明『比例票100万減』波紋」と題する記事が載っている。

公明党は今回、比例区7議席、選挙区7議席を獲得。非改選議席と併せて28議席となり、過去最多議席タイに並んだとして「大勝利だ」と喜んでいるらしい。しかしこれは、公明党にとって本当に「大勝利」などと言える結果なのか。内容をよく吟味しなければならない。

まず今回の参議院選挙では、比例区の定数が2議席、埼玉選挙区の定数が1議席増えている。又、兵庫選挙区の定数も3議席だが、これは前回3年前の参議院選挙から2から3議席になったもので、6年前の参議院選挙の時は、定数2議席だった。今回、公明党は兵庫選挙区で新人議員を1名当選させているが、これは定数増の恩恵によるものではないか。比例区の定数も2議席増えているわけだから、公明党が前回参議院選挙の時よりも100万票も得票数を減らして7議席も取れたのは、全体の投票率が低かったこと、比例区の定数が2議席増えたことが大きかったのではないか。だからこの結果は、公明党の「大勝利」とはとても呼べたものではないはずだ。

公明党は、今回の比例区得票減少について、統一地方選挙と参議院選挙が重なる12年に1度の選挙で、4月の統一地方選挙での選挙疲れが残る創価学会への負担を考慮した「比例対策の省力化」の影響と説明しているという。(2019727日付け読売新聞より)

しかし、これは本当にそうだろうか。下記表1公明党国政選挙全国区・比例区得票数一覧を見ていただきたい。12年前の2007年参議院選挙で、公明党は比例区776万票。24年前の1995年参議院選挙のときは新進党で、公明党の得票数の統計はないが、36年前の1983年参議院選挙のときは、731万票取っている。これは当時としては、最高の得票数になっている。統一地方選挙と参議院選挙が重なる年は、比例対策を省力化していたというなら、なぜ過去の選挙では730万票を越える得票を得ているのか。「比例対策を省力化していた」というのは、単なる言い訳、負け惜しみを言っていると言えよう。

選挙区では、東京選挙区に出馬した山口那津男代表が、前回の得票よりも1万票余り上回ったと言っているようだが、(2019727日付け読売新聞より)今回は、沖縄創価学会壮年部員・野原善正氏が「れいわ新撰組」からの出馬で、「山口代表への刺客」などとマスコミにもてはやされたため、創価学会・公明党では、相当危機感が強かった。「代表を落選させるわけにはいかない」というわけで、かなりしゃかりきな選挙活動を行った。それと、「山口代表への刺客」などと銘打つのであれば、その刺客候補に現役の創価学会員を立候補させるという、れいわ新撰組の作戦ミスが大きかったのではないか。現役の創価学会員候補に、反創価学会票は集まらないからである。

 

2019.7.27読売・公明党100万票減の衝撃
 

(2019727日付け読売新聞「公明『比例票100万減』波紋」と題する記事)

 

1962-2019公明党得票数
 

(1公明党国政選挙全国区・比例区得票数一覧)

 

 

 

「平和を標榜する公明党・創価学会とは相容れない」と言って公明党の政策に反旗を翻し始めた創価学会員

 

公明党内には「比例区得票減少の流れを止めないと衆議院選挙にも影響が出かねない」との懸念がくすぶっているという。(2019727日付け読売新聞より) 今回の選挙結果を「大勝利」と言っておきながら、なぜ比例区得票減少の流れを懸念しているのか。それは、公明党の比例区得票が減少している原因が、公明党岩盤基礎票である創価学会員の減少だからだ、と見ているからではないか。

富士門流執着軍団筋・富士門流ニセ坊主軍団筋の創価学会幹部は、創価学会員が減少してきていることを認めているという情報が、「アンチ日蓮正宗」に入ってきている。ではなぜ創価学会員が減り続けているのか。

20105月の創価学会本部幹部会以降、池田大作が創価学会の第一線から退いていること、後継の最高幹部に池田大作ほどの求心力がないこと、2009年からつづく米軍基地辺野古移設問題、2014年の労働者派遣法改正、2015年の集団的自衛権容認の安保関連法、2016年の組織犯罪処罰法改正、さらに201411月の創価学会会則の教義条項変更の実質失敗、201611月、創価学会会則の一部改正により、「創価学会仏」の文言を追加したことが創価学会員から疑念を持たれたこと、そして2005年ころからインターネット上に「反創価学会」「アンチ創価学会」「創価学会批判」「公明党批判」を標榜するサイトが次々と現れて創価学会批判を展開していること等々により、創価学会員の離反、脱会がつづいている。

これらの原因の中で、創価学会側のものではなく、公明党側の要因を見ると、1999年以来の自民党・公明党連立以来、通信傍受法、イラクへの自衛隊派遣、集団的自衛権容認の安保関連法等々、従来の公明党の政策とは、相容れない自民党の政策、法案に賛成してきた。これが「平和」を標榜する公明党、創価学会の信条と相容れない、ということで、一部の創価学会員が反発。反旗を翻し始めた。れいわ新撰組から東京選挙区に立候補した野原善正氏も、今の公明党の政策に反対を表明している。野原善正氏は、次の国政選挙にも立候補を表明しているので、結果がどうなるのか、注目が集まるところであろう。

面白いのは、反旗を翻したのは創価学会員だけかと思っていたら、元創価学会員を標榜する富士門流執着軍団、富士門流ニセ坊主軍団の者までもが、「平和を標榜する公明党・創価学会とは相容れない」などと言って、これら反旗を翻し始めた創価学会員と同調するかのような論を展開していたのは、笑えてしまった。やはり富士門流執着軍団、富士門流ニセ坊主軍団は、創価学会や創価学会員たちと同調しているというのが基本スタンスということなのであろう。

断っておくが、「アンチ日蓮正宗」は創価学会も公明党も平和団体などとは認めていない。創価学会、公明党が標榜する「平和」とは、ただの人寄せパンダのような看板のみ、偽りの看板に過ぎない。

 

2019参議院選挙・東京選挙区
 

(東京選挙区得票数・読売新聞より)